2013年11月20日水曜日



 どうも、新キャラの末吉(すえきち♂)です。歳は24で若干高め、趣味はスポーツ全般と登山と畳み掛ける型のウザ絡みです。以後よろしくおねがいします。

 イギリス派遣も早1/3が過ぎようとしており、研究にもこちらの雰囲気にも慣れてきました。僕はだいぶ英語ができない部類に属しますが、涙ぐましい努力の甲斐もあり、ここのところようやく国内純培養日本人にアルアルな「会話でNoと言えない > < ;」症候群から脱しつつあります。



Lord Mayor’s show といって、City of London の新しい市長さんのお披露目のパレード。ここで注意したいのは、LondonCity of London全くの別物ということ!
City of Londonはロンドンの中心のほんの小さなエリアですが、ロンドンよりもはるかに歴史が古く(AD.40年ごろのローマによる遠征や、それ以前の鉄器時代…)、市長さんも別々。気になった方はYu tubeでチェック!>Secret city of London> http://www.youtube.com/watch?v=LrObZ_HZZUc


  さてさて、折角なので今回は僕の研究のバックグラウンドについて少し紹介させてください。聞くところによると、医学生じゃない方も読んでくださっているとのことなので(ありがとうございますっ)、フランクめになるようがんばってみます★

 皆様、突然ですが、チロシンキナーゼ受容体ってご存知でしょうか? そう、細胞が増殖するためのスイッチとして有名なヤツです。そうそう、インスリンやら成長因子の類やらがくっつくと、好き勝手に離れていた受容体さんお二人が寄り添って抱き合ってお互いリン酸化するっていうロマンチックなヤツです。何が重要かって・・・細胞増殖、成長因子・・・といえば、を思い出しませんか。その実、この受容体が頑張りすぎちゃうと細胞は癌化してしまいます。だからこそ、癌を抑える薬のピンポイントターゲットとしても熱心に研究され、かつ臨床でも華々しい成果を挙げているのです。



 
ロンドンブリッジ! ・・・ではなくタワーブリッジ。どっちも近くにあって良く名前を間違えられるみたいです。大型船が行き来する際に真ん中割れて開くのはこちら↑。ちなみにこれも、City of Londonの市長さんの所有です。



 そんなこんなで研究対象として確固たる地位を確立しているチロシンキナーゼ受容体(群)ですが、15年ほど前に、ある変わりダネが発見されました。インスリンなどのタンパク質ではなく、もっと大きな細胞外の物質、コラーゲンによって活性化されるという変種です。嘘か真か、お肌がプルプルになると噂の、あのコラーゲンです。 

 蛇足の中でもだいぶ不要な部類の蛇足ですが、、、僕は渡英前、「イギリスは日光も少ないし雨も多くて湿ってそうだし、夏の軟式テニスの練習で傷ついた俺のお肌は、きっとたちまち美白&プルプルになるだろう!」と考えていました。浅はかでした。。ちなみにこれを「ジョージャク(情報弱者)」言うようです。僕の中で「なえぽよ」と肩を並べる、医科歯科に入ってから覚えた二大単語のひとつです。こちら(の秋)は雨が降ってもすぐにカラっとするし、気温が低くてそもそも飽和蒸気圧が小さい(=空気のキャパが小さい)・・・ これらの要因に、慣れない環境というストレスが追い討ちをかけ、末吉の顔はお岩さんの如く、渡英二週間は見るも無残になってしまったのでした。お肌が敏感な方はクリームを持参しましょう♪




ドーム部分がイギリスにしては珍しいバロック様式の、St. Paul大聖堂。・・・と言っても、大きさを伝えようとしたら肝心のドーム部分が写りませんでした笑

 

 話を戻します。コラーゲンはかつて、細胞の外に存在して組織を支えているただの柱だと考えられていましたが、細胞に動きを与えたり成長を促したりする働きもある、もっともっとアクティブな役者だということが分かってきました。今回話題にしている受容体も、コラーゲンを感知して細胞の特性を変えることが証明されています。癌の細胞の動きのパターンを変化させたり、個体の発生の際に細胞分化を促したり、といった感じです。
 そしてその変り種チロシンキナーゼ受容体、①コラーゲンがくっつくということに加えて、他にも面白い動き方をすることが分かってきたのです。
コラーゲンがくっつく前でも既に、受容体同士が2量体化を起こしている
活性化のスピードが他のチロシンキナーゼ受容体に比べて異常に、ほんとに異常に遅い!(云時間レベル・・)
 僕が所属しているのはそんなちょっと面白い受容体に着目しているマニアックな研究室で、テーマは「はどういう仕組みで可能になっているのか?!」を調べることです。




リッチモンドパーク! 秋は繁殖の季節です。本当に雄鹿一匹が20匹くらいの雌を束ねていました。。なんとも贅沢で不遜な輩です。



 具体的な実験はというと、、、なんて話は続いていきそうですが、これ以上薀蓄を続けると流石にうんざりされそうなので、とりあえずこの辺でとめておきます^^ )/
ここまで辛抱強く読んでいただきありがとうございました。

 昨日今日とインペリアルの大学病院を見学させていただいたので、近々そのことについてのブログも上がるはずです! 乞ご期待☆











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